リアル店舗論

リアル店舗における『実需の後ろ倒し』をどう捉えようか。


 

ナスです。

今回はズバリ『リアル店舗論』

 

年間240日くらいは店頭に立ち、お客さんのリアルな声を聞いている僕が感じていること。

秋冬も立ち上がって1ヶ月半くらい経ち、昨年とまた違った景色が見れているので今回はその辺をつらつら書きます。

 

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加速する『実需の後ろ倒し』 その背景にあるものとは…


 

ここ数シーズン、“実需の後ろ倒しにどう対応するか”が業界全体のテーマとなっています。

ようは消費者が「とにかく”今”着用できるものを買う!」というような流れにシフトしていっているということ。

昔のように先物買いをするお客さんは減っているという実情があり、よっぽどの話題性がなければ先行投資をすることは少なくなってきています。

 

また、実需の後ろ倒しは今シーズンに入り加速しているように思えます。

雰囲気でも察しますし、何よりも売れているものを見れば明らか。

 

  • 昨シーズンよりダウンなどの重衣類の動きが鈍い

⇨代わりに”今”使える薄手のニットなどが売れている

などです。

 

地球温暖化の影響もあり、とにかく夏が伸びている日本。おととい、10月10日の東京の最高気温はなんと28度

ここ数日は異常なまでに暑いのですが、やっと週末は最高17度まで下がるらしいです。

このように、気温の変化とアパレルの市況は密接に結びついており、冬の訪れを感じさせる気温まで下がらないと購買意欲は上がらないよ…ってわけ。

気温の面から見れば「まぁしょうがないよね」って納得すれば済む話。ただ、そこに至るにはライフスタイルの多様化が大きく影響しているのです。

 

 

 

 

「ファッションにかけるお金があるなら体験に投資したい!」


 

これは散々言われていることですが、現代人の潜在意識が『物より体験』という流れに移行している影響があります。

 

この流れは2011年の東日本大震災を皮切りに、『物の存在の儚さ』を全国民が目の当たりにしてからものすごく顕著になってきたと言われています。そして、『幸せな時間は長続きしない』と多くの人々が身をもって知ったのも一つの要因。

スマートフォンが普及し、手軽に情報にアクセス出来るようになった環境、隙間時間に必要な物をサクッと買えるインフラが整ったのも大きな要因ですが、消費者の潜在意識自体が『体験することが前提でそのためのファッション』と後発的な優先順位になっている現状があります。

僕は洋服屋として、この実情を嘆いたりしません。僕自身も『洋服以外はミニマリスト』だと思っているんで、一消費者としては当たり前の現状だと思っています。

 

また、引用ではあるのですが、ヴァンキッシュCEOの石川涼さんはNews Picksのインタビューでこう答えています。

2010年にFacebook、そしてインスタグラムと、みんなが写真を投稿しているのを見て「写真中心にコミュニケーションする世界」が広がっていることに驚愕しました。
たとえ10万円のジャケットを着ていても、写真からだけでは、その質の良さが識別しにくいですよね。
SNSがコミュニケーションの中心になる時代では、10万のジャケットを買わずに1万円のものを買い、残った9万円で旅行したり、おしゃれな店で食事したほうが、満足感が高いじゃないですか。
日本だけではなく世界的に、洋服屋さんが不要になる時代がきた、と危機感を持ちました。
アパレルはもう、何か用途と紐付いていないと、売れないんですよ。
キャンプに行くための服、ヨガをする服。
服とセットで、使い方を提案しないといけない。
ただ単に着る服だったら、ファストファッションで十分ですから。

引用

 

コミュニケーションが写真中心になったこと。正直、全然好きではないのですが、”インスタ映え”って言葉もあるくらいですからね。

これからは更に写真も『何気ない日常』というのが重視されていくでしょう。

誰もが羨むような非日常的な写真よりも、ごく普通の日常を写真として切り取ること。インスタで映える光景よりもしっかりと日常に溶け込む光景。

 

このことをファッションに置き換えると『ファッションのためのファッションはもう必要ない』ということでしょう。

最近は、大手ファッション雑誌でも特集する内容の変化が目に見えています。

具体的には、仕事でも使えてプライベートでも使えるオンオフ兼用の服の特集、アウトドアに特化したファッションの特集、休日のお父さんに向けたレジャー向けファッションの特集などです。

基本的にこれらは体験が前提にあり、ファッションはその体験をしっかりと謳歌するための一つのツール。今後は『ファッションのためのファッション』ではなく『体験のためのファッション』の打ち出しをどれだけ真剣に考え、消費者のニーズに答えていくかだけが重要になるのです。

 

 

 

 

”自分が培ってきた一次情報”を包み隠さずお客さんにGIVEすること。ただそれだけ


 

とにかくリアル店舗が苦境に立たされている現状、店舗にわざわざ足を運んでくれたお客さんには『勉強になります!』と言われ、逆に感謝されるくらいのGIVEが必要なのです。

そのためには、ネットなどの媒体から得た知識(二次情報)もそうですが、自分が身をもって体感してきた知識(一次情報)をしっかりとお客さんにお伝えすること。いわゆる、『体験のシェア』です。

 

『体験のシェア』をすることのメリットは、お客さんがあたかも自分が体験しているようなイメージを沸かすことが出来るということ。

ネット上に蔓延する誰が書いたかわからない表面上の知識を述べるより、目の前にいるプロフェッショナルの体験談を聞いた方がよっぽど信憑性は高いと思います。

 

シンプルに包み隠さずGIVEすること。嘘は付かずに目の前の真実を述べること。ある程度の信頼関係が築けたらノーということも必要でしょう。

GIVE GIVE GIVEでお客さんが買ったもの+普段得られない知識を吸収して帰ってくれたら「あ、良い仕事したわ」と心の底から思うことが出来ます。

 

とにかく今、リアル店舗に出来るのは『一次情報を包み隠さずシェアすること』

そして、信用を獲得し地道にファンを増やしていくこと。ただ、これだけなのです。

 

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kokishibata

1993年熊本県生まれ。18歳まで熊本県で育ち、福岡の大学に進学。卒業後に上京し、現在は都内の某セレクトショップに勤務。趣味はファッション、Dj、ブログ運営。

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